11月8日(火)にWeb担当者Forum主催のWeb担当者Forumミーティング2011 Autumnに参加してきました。10時30分から18時までみっちり以下の7つのセミナーを受講してきました。
- 花王が展開するコミュニティ 顧客とのキズナづくりとは?
- ウォーカープラスが実践した、雑誌「Walker」のブランドを活かしたサイトリニューアル手法とは
- PDCAの成功事例に学ぶ! Web戦略を成功に導くマネジメント手法
- KPI設計の本当のことをまだ誰も知らない!~ホームページの潜在能力はまだまだこれから~
- ソーシャルゲームも企業サイトもECも今やクラウドの時代~Web担当者のための やさしいクラウド入門
- 「知らない」では済まされない、Web担当者のためのセキュリティ対策最前線~SSLの最新利用動向&Webサイトで今何をしておくべきか~
- Google 検索最新トレンド 2011/2012
どのセミナーもそれなりに得るものがあり、大変有意義な時間を過ごすことができました。すべてをまとめておきたいところですが、まずはセミナー資料の配布のなかったグーグル株式会社サーチクオリティチーム金谷武明さんによる「Google検索最新トレンド2011/2012」と題されたセミナー内容について忘れないように簡単にまとめておきたいと思います。
「Google検索最新トレンド2011/2012」ということだったので、てっきり「新検索アーキテクチャCaffeine」「SSL化」「コンテンツと著者の関連付け」「Google+との連携」などの話が聞けるのかなと思いましたが、何てことはない、Web制作に精通している方であればすでにご存知であろうSEOとはGoogle検索のアルゴリズムに対して最適化することではありません。Googleの基本姿勢に沿ってWebサイトを構築してください。それが本当の意味でのSEOとなります。
という話でした。
ただGoogleの社員さんの口から直接「検索結果の上位に表示させるのに余計なテクニックは必要ない。ただひたすらユーザーのことを考えてWebサイトを構築すればよい」と聞けたことは大変意味があったと思います。
以下がセミナーのまとめとなります。
『Google 検索最新トレンド 2011/2012』
- グーグル株式会社サーチクオリティチーム 金谷武明氏
- 2011年11月8日(火)16:55~17:55 @ベルサール八重洲
Google検索の目指しているもの
Googleの使命(ミッション)
世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること
(『Google会社概要』より)
完璧な検索エンジン
完璧な検索エンジンとは、ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致するものを返すエンジンである
(『Googleの理念』より)
完璧な検索エンジンについて、GoogleのCEOラリー・ペイジ氏は上記のように述べています。つまりGoogleは常にユーザーを見ているということです。
Googleはどのように検索結果を表示しているのか?
クロール ⇒ インデックス ⇒ 検索結果の表示
Google検索が瞬時にしてユーザーの求める検索結果を表示できるのは、検索エンジンロボットが常に世界中のサイトをクロールしインデックスを前以て作成しているからということになります。つまりサイトがGoogleの検索結果に表示されるには、検索エンジンロボットにクロールされインデックスを作成してもらう必要があります。
ページランクについて
ページランクは200以上あるアルゴリズムの1つにすぎません。また、みなさんが確認できるページランクは年に数回程度しか更新されず、目標の指標にすべきではありません。
はっきり言えば、まったくオススメできないということのようです。では、何を指標とするのか?これについてもそれぞれのサイトの目的や役割によって異なってくるので、これだと答えを限定することはできませんが、ひとつ言えることはライバルサイトでユーザーテストを行い、自分のサイトの使い勝手が上とならない限り、ライバルサイトより上位に表示されることはない
ということのようです。
ウェブマスター向けガイドライン
ウェブマスター向けガイドラインに沿ってサイトを構築すると、Googleにクロールされやすくなり、インデックスされやすくなります。例えば代表的なウェブマスター向けガイドラインの品質に関する具体的なガイドラインとして、以下のものが挙げられます。
- 隠しテキストや隠しリンクを使用しない。
- クローキングや不正なリダイレクトを行わない。
- コンテンツに関係のないキーワードをページに記載しない。
- 複数のページ、サブドメイン、ドメインで同じコンテンツを公開しない。
- 検索エンジン用の誘導ページを作成したり、オリジナルのコンテンツがほとんどないアフィリエイト プログラムを使用したりしない。
- アフィリエイト プログラムに参加している場合は、サイトを訪れるユーザーにとって価値のある内容であることを確認する。独自性や関連性があるコンテンツを提供して、サイトにアクセスする目的をユーザーに提供します。
SEOについて
SEOとは何の略?
Search Engin Optimization(検索エンジン最適化)
ただ検索エンジン最適化というけれども、Google検索のアルゴリズムに対しての最適化はユーザーのためにならず、本質的なSEOとはならないということです。
例えば以下の2つのサイトがあったとします。
- サイトA:豊富なコンテンツ
- サイトB:コンテンツほとんど無い
仮に検索キーワードとの関連性の高いサイトはサイトAとした場合、サイトAが上位に表示されるが、SEOの裏技があったとして、サイトBが上位に表示されるようになってしまったとしても、GoogleはすぐにサイトAが上位にくるようにアルゴリズムを調整します。つまり裏技を施しても意味がないということになります。
アルゴリズムは200以上あり、年間100回以上変更されるほど日常的に改善され進化しているとのことです。そのようにアルゴリズムはころころ変わりますが、Googleの目指すところは一定です。Google検索はユーザーを意識しており、ユーザーのキーワードに関連の高いサイトを上位に表示している、ただそれだけなのです。
つまりSEOとは、今のGoogleのアルゴリズムではなく、Googleがめざすところ=ユーザーにとって役立つサイトを目指しましょう!
ということになります。
ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
(『Googleの理念』より)
Googleの理念には上記のような言葉もあります。Googleに合わせるのではなく、ユーザーに合わせて最適化します。その際に、当日配布された『検索エンジン最適化スターターガイド』に沿った形でサイトを構築すると、Googleにインデックスされやすくなります。大変効果があるということです。
『検索エンジン最適化スターターガイド』には以下のような記述があります。
SEOは本来、サイトを訪れるユーザーのために行われるべきだと私たちは考えています。サイトのコンテンツを利用するのはユーザーであり、検索エンジンはユーザーがコンテンツを見つけるために使われているに過ぎません。検索結果のランク付けを意識するばかりでは、好ましい成果をあげることはできないでしょう。
ウェブマスターツール
ウェブマスターツールとは?
ウェブマスターツールはGoogleのGoole検索におけるみなさんのダッシュボードとなります。
ウェブマスターツールを使う7つの理由ということで、以下のブログ記事が大変よくまとめられています。金谷さん自身が書かれたということです。
ウェブマスターを使う上で、以下の3つの重要なポイントがあるそうです。
- ガイドライン違反のお知らせ
- 再審査リクエスト
- サイトへのリンク
ガイドライン違反のお知らせ
ガイドライン違反についてのメッセージが表示されるようになりました。オプションでメッセージの転送が可能です。
再審査リクエスト
ガイドラインに違反し、ウェブマスターツールにメッセージが届いた場合、違反個所を対処し、ウェブマスタツールから再審査リクエストを行います。
先日、再審査リクエストに変更があり、より具体的な審査結果をお伝えするようになったようです。
- 手動によるスパム判定があったかどうか
- そしてそれが取り消されたかどうか
より多くのケースでお知らせするようになりました。
トラブルシューティング
手動による対策が解除されなかった場合に考えられる2つのケース
- 問題の特定は正しいが、違反個所が修正しきれていないケース
- 他社に依頼した施策によるもので、違反個所が特定できないケース
2つ目のケースで少なくとも外部からのリンクが原因の場合は、ウェブマスタールーツの「サイトへのリンク」が役立ちます。サイトへのリンクには、トップ1000のドメインが表示されているので、原因からのリンクを確認し対処します。
ウェブマスターツールはディレクトリ単位で、複数のアカウントを登録することも可能ということです。ぜひ利用してくださいということでした。
一部のブログサービスでは、ウェブマスターツールに登録できないものもあるようですが、その場合は対応してもらうようにブログサービスプロバイダーに要望を出してくださいということです。(多くの場合、ユーザーからの要望がないから対応していないということらしいです。)
ウェブマスターセントラル
最後にウェブマスターセントラルのヘルプフォーラムをぜひ利用してくださいということでした。Google社員も参加しているので、どうしても解決できない問題があれば質問してくださいと。
また、ヘルプフォーラムではトップレベルユーザーと呼ばれるGoogleのプロダクトに関する豊富な知識、経験を持ったアクティブユーザーによってディスカッションが行われており、そうした世界各国のトップレベルユーザーたちを集い、年に1度Google社員を交え交流会を行っているそうです。
まとめ
とにかくGoogleはサービスを展開する上でユーザーのニーズを第一に考えるという姿勢がよくわかったセミナーでした。結局、検索を行うユーザーのみならずWebサイトを運営される方々もGoogleにとっては大切なユーザーとなります。ウェブマスターツールを提供し、懇切丁寧なガイドラインを設けてしているのも、やはりWebサイト運営者のニーズを捉えた結果だと思います。
また全世界のトップレベルユーザーを集い交流を図るのも、全てはヘルプフォーラムの質を落とさず一定に保ち、さらにはより向上させるためだと思われます。それはGoogle検索の質に直結することであり、最終的にGoogleを利用するユーザーのニーズに応えるのに大変役立っているということもわかります。
Webサイト運営者として、裏技的なテクニックに走るのではなく、そうしたGoogleの基本姿勢に沿ってWebサイトを構築することが一番のSEOになるということも大変うなずける話となりました。
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