7月7日に2018年の冬季オリンピックの開催地として韓国のピョンチャン(平昌)が選ばれました。このような大きなイベントが開催される度に気になってくるのが、イベントに関連したドメインです。大きなイベントが開催されれば、それだけ多くの公式サイトや関連サイトが立ち上げられ、それに伴い多くのドメインが取得されます。今回は、オリンピック開催とドメイン取得の関係性について書いてみます。
オリンピックが開催された場合、「開催地」+「開催年」というドメインがサイト運営上、重要になってくると思われます。
先日の投稿『2020東京五輪開催に向けた「tokyo2020」ドメイン取得の状況』では、オリンピック開催地に立候補した際のドメイン取得状況について調べてみました。gTLDの主要5ドメインと汎用JPドメインについてはすでに取得済みでしたが、それ以外はまだまだ空きのある状態でした。「開催地」と「開催年」の間に「-(ハイフン)」を入れたドメインについては、主要ドメインでもまださほど取得が進んでおらず、「様子見」「これから」といった状況でした。
では、実際にオリンピック開催地として決定すると、この状況は一体どのように変化するのでしょうか。2018年の開催地として決定したばかりのピョンチャンと来年となる2012年に開催を控えたロンドンに関して、「開催地」+「開催年」ドメインの取得状況についてムームードメインのドメイン検索で調べてみました。
「Pyeongchang」+「2018」のドメイン取得状況
開催が決定したばかりのピョンチャン(平昌)冬季五輪。開催は7年後の2018年。「pyeongchang」+「2018」ドメインの取得状況は以下のようになっています。
「pyeongchang2018」ドメインについては案の定というか、もうすでにgTLDの5大ドメイン(.com / .net / .org / .info / .biz)は取得済みの状態です。それ以外のドメインも取得が少しずつ進んでいるようです。汎用JPドメインもすでに取得されていますね。
「pyeongchang-2018」ドメインについては、まだまだこれからって感じですかね。ただ、gTLDの.com、.net、.org、.infoは手堅いことに取得済みとなっています。
取得された主なドメインの現在の利用状況も調べてみました。すでに「pyeongchang2018.org」をメインとしてオリンピック&パラリンピックの公式サイトの準備が進んでいるようです。
◎主要なドメインの現在の利用状況(2011年7月16日現在)
- pyeongchang2018.com ⇒ 広告ページ
- pyeongchang2018.net ⇒ 公式サイトのミラー
- pyeongchang2018.org ⇒ オリンピック&パラリンピック公式サイト
- pyeongchang2018.info ⇒ GoDaddy.comの準備ページ
- pyeongchang2018.biz ⇒ 広告ページ
- pyeongchang2018.jp ⇒ 所得のみ / サイトなし
- pyeongchang-2018.com ⇒ 広告ページ
- pyeongchang-2018.net ⇒ オリンピック関連のページ? / ロシア人による所有
- pyeongchang-2018.org ⇒ 広告ページ
- pyeongchang-2018.info ⇒ ovh.comの準備ページ
「London」+「2012」のドメイン取得状況
開催が来年2012年に迫っているロンドン夏季五輪。「london」+「2018」ドメインの取得状況は以下のようになっています。
「london2012」ドメインについては、開催が来年ということもあり、かなり取得が進んでいるようです。たまたまなのか、ムームードメインで価格の高いものだけが、取得されていませんねぇ。
「london-2012」ドメインについても、「london2012」ドメインほどではないですが、gTLDの5大ドメインなど主要なドメインは取得済みとなっています。ただ、この時期になってもそれほど取得が進んでいないということは、やはり「ハイフン」が入るとそれほど利用価値がないということなのかもしれません。
取得された主なドメインの現在の利用状況については、「london2012.com」をメインとしてオリンピック&パラリンピックの公式サイトが準備されており、また他のドメインも公式サイトの転送元となっており、着々と準備が進んでいるようです。おそらくここまでくるのに、公式サイト運営者とドメイン取得者との間で、ドメイン所有に関する取引が幾度となく行われてきたことと思われます。
◎主要なドメインの現在の利用状況(2011年7月16日現在)
- london2012.com ⇒ オリンピック&パラリンピック公式サイト
- london2012.net ⇒ 公式サイトに転送
- london2012.org ⇒ 取得のみ? / ロンドン五輪組織委員会による所有
- london2012.info ⇒ 公式サイトに転送
- london2012.biz ⇒ 公式サイトに転送
- london2012.jp ⇒ アスリート応援工房のサイト
- london-2012.com ⇒ finesse internetのサイト
- london-2012.net ⇒ 公式サイトに転送
- london-2012.org ⇒ 広告ページ
- london-2012.info ⇒ 公式サイトに転送
- london-2012.biz ⇒ 公式サイトに転送
以上のように、オリンピックの「開催地」+「開催年」ドメインの取得状況とその利用状況について見てきましたが、開催地として決定したばかりのピョンチャンと、すでに来年に開催を控えているロンドンでは、やはり状況が異なっていました。
オリンピック開催が決定してから、開催まで長い年月があります。その間にまずはドメイン取得の競争があり、その後公式サイト運営者によって収束されていくという流れとなっていると考えてもよいでしょうか。
ただ先月のことですが、ICANN(IPアドレス、ドメイン名、ポート番号などを管理している組織)がトップレベルドメイン(gTLD)の拡張を承認したように、今後ドメインの種類は増えていくことも予想されます。そうなるともう収拾がつかなくなってくるかもしれません。ひょっとしたらオリンピック関係者しか取得できない専用のドメインというものも登場するかもしれません。また将来的には、ドメイン単位でのウェブの運用というものもなくなっているかもしれません。現在のような流れが今後どのように変化していくのかしっかり見守っていければと思います。
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