10月24日(金)にhtml5j主催の第51回 HTML5とか勉強会に参加してきました。テーマが「パフォーマンス」ということで、自分もかなり興味のある分野ここ最近では珍しいくらい濃い内容だったので、備忘録的にまとめておきます。
タイムテーブル
第51回 HTML5とか勉強会
- 開催日: 2014年10月24日(金)
- 場所: 株式会社サイバーエージェント
- ブラウザのパフォーマンスを限界まで高める、HTMLコーディングの考え方
- 川田寛さん(NTTコムウェア株式会社)40分
- ブラウザーに優しくして、アニメーションを滑らかに
- Brian Birtlesさん(Mozilla Japan)40分
- 部分最適化から全体最適化へ ― Webの情報品質管理手法
- 竹洞陽一郎さん(株式会社Spelldata 代表取締役社長、html5j パフォーマンス部部長)40分
内容
特に強烈だったのが3番目に登壇した竹洞さんの話で、改めてパフォーマンスとはなんぞやと考えさせられる内容でした。
パフォーマンスとは?
Webサービスのパフォーマンスといったら、私の場合やっぱり「高速化」が真っ先に思い浮かびます。ただ今回の話によると高速化だけでは、完全なパフォーマンスの改善にはならないと言うことでした。「高速化」を主とするパフォーマンス改善の話を期待していただけに、逆に返り討ちに遭った気分でした。
つまり、Webサイトの役割は「価値のある情報を瞬時に正確に届ける」ということであり、いくらレスポンスの良いサイトを構築したとしても、そのサイトが情報を見つけにくかったり、役立つ情報がなかったりすれば、何の意味もなさないということでした。
こういう話は直接ありませんでしたが、例えば、以下のような2つのサイトがあったとします。
- A. レスポンスタイムが1秒以下だが、探したい情報が見つけにくいサイト
- B. レスポンスタイムは5秒だが、探したい情報が瞬時に見つかるサイト
レスポンスタイムだけで見れば、Aのサイトが抜群に優れていると誰もが認めるはずです。しかしサイトはすぐ表示されても、情報が見つけにくく、結局求める情報にたどり着くのに10〜20秒もかかっていたらどうでしょうかね。Bのサイトはページの表示は遅いかもしれませんが、2〜3秒で求める情報にたどり着くことができれば、Aのサイトよりもパフォーマンスが良いと言えてしまいます。
まとめると、「高速化も大事ですが、それだけでは不完全ですよ」という話でした。
情報の品質とは?
で、パフォーマンスに大事な「価値ある情報」の届け方についての話もありまして、この辺の話も実に興味深かったです。
まず、情報の品質ということで、情報は以下の3つの種類に分類できるというところから話が始まりました。
- 1.「知っている」ということを知っている
- 2.「知らない」ということを知っている
- 3.「知らない」ということを知らない
われわれがGoogleで検索するとき、検索できるのは上の1と2の情報です。3の情報は存在しないも同然なので検索できません。
つまり、3の「知らない」ということを知らない情報をサイトに載せた場合、わからない人には全く伝わらないと言うことでした。
これをキャズムのそれぞれの区分に当てはめて説明してくれました。例えば、「CDN」というワードがありますが、
- アーリーアダプターにとっては→「知っている」ということを知っている情報
- アーリーマジョリティーにとっては→「知らない」ということを知っている情報
- レイトマジョリティーにとっては→「知らない」ということを知らない情報
ということになります。
なので、「伝える相手によって最適な表現方法を選択していくことが情報を伝える上で重要である」ということであり、それがよいパフォーマンスにつながっていくということでした。
動画 & 資料
サイトを作る上で「素人にでもわかるように」ということは至極当然のことですが、こういった視点でパフォーマンスを捉えることに関しては目から鱗でした。詳細に関しては、動画と資料をアップしておきますので、興味のある方はそちらをご覧になってください。
以下、竹洞さんのスライドです。
以下は一番最初に登壇された川田さんのスライドです。
以下は2番目に登壇されたBrian Birtlesさんのスライドです。
コメント