低価格路線を突き進むレンタルサーバー業界の今後を考える

以下のサービスの値段には大変驚かされます。キャンペーン価格とはいえ、驚愕に値する提供価格となっています。

ドメインキング(1年間100円)

ドメインキング(1年間100円)

ロケットサーバー(1年間1,000円)

ロケットサーバー(1年間1,000円)

だからといってスペックもぜんぜん悪くないのです。

ドメインキング Sプラン 1年間100円
ディスク容量10GB、マルチドメイン無制限、データベース2個、メーリングリスト3個、CGI / Perl / PHP / Python / SendMail / SSI対応、共用SSL、バックアップ機能付き
ドメインキング Mプラン 1年間100円
ディスク容量60GB、マルチドメイン無制限、データベース5個、メーリングリスト5個、CGI /Perl / PHP / Python / SendMail / SSI対応、共用SSL、バックアップ機能付き
ロケットサーバー 1年間1,000円
ディスク容量50GB、マルチドメイン無制限、データベース3個、メーリングリスト無制限、CGI /Perl / PHP / Ruby / Ruby on Rails / Python / SendMail / SSI対応、共用SSL、バックアップ機能付き、SSH接続可能

どうでしょう、このお得感!私もRuby on Rails目当てにロケットサーバーを申し込んでしまいました。これだけの機能をこの価格で1年間利用できてしまうんです!利用者の財布にも大変優しい業界になりつつあります。

このレンタルサーバーの低価格路線はGMOグループが一丸となって押し進めてきた戦略の結果と言えるでしょう。すごい世の中になったものです。

ただ、業界にとってこの傾向は大変頭の痛い問題でもあります。私も同じ業界にいるのですが、はっきり言って1年間100円なんて考えられない価格設定ですし、GMOグループと張り合うには相当な会社の体力が必要となります。

レンタルサーバーを提供するには、もちろんまずはサーバー代がかかりますし、その他データセンターのラック代、回線代、電気代、それから保守やメンテナンス、運営に関わる人件費などがかかってきます。1年間100円や1,000円で提供していたら、サーバー1台減価償却するにも相当なユーザー数を集めないといけません。

さらに深刻な問題として、あくまでも私見ですが、この業界は今のままでは今後縮小傾向に進みそうな気がしています(特に個人の利用において)。Facebookや先日発表のあったAppleのiCloudなどのクラウドサービスが一般的になってくると、レンタルサーバーを借りて何かやろうって思う人は減ってくるのではないかと。

また、私くらいの年代の人たちは、こぞってHTMLを覚えたものですが、今の若者たちってHTMLって書けなくてもSNSもあるし、ブログもあるし、プロフもあるし、十分インターネット上で自己表現が可能な時代になっています。HTML書けてこそのレンタルサーバーでもあるので、HTML書ける人口が増えなければ、業界にとって明るい未来もないわけです。(もちろんHTML書けなくてもサイトを構築できるツールなどはありますけどね。)

こうした状況ですから、今後ユーザーの奪い合いというものは熾烈になるのは間違いないはずです。そうした中で値段とスペックだけで争いに参加していたら、到底巨大なGMOグループには勝てるはずがありません。

そこで、われわれもGMOグループと同じことをやっていたらダメだということで新たに戦略を練り直す必要に迫られています。

答えは単純かもしれません。GMOグループがターゲットにしている層ではなく、別の層をターゲットに商売すればいいということにるでしょうか。もはや値段とスペックだけでは勝てないのであれば、別の価値観を持った人々を獲得していくか、もしくはわれわれが新しい価値観を創造していくしかないと思います。

GMOグループとは逆に高級なレンタルサーバーサービスを作り、高級指向の人々をターゲットにしていってもよいかもしれません。高齢化社会に備えた、とにかくサイトの文字を大きくした高齢者向けのサービスがよいかもしれません。オンラインストレージやウェブメールを充実させたクラウド的な利用をメインにしたサービスも考えられます。

それから基本として、この業界で売り上げを延ばす要因として以下の3つが挙げられます。

  • 利用者を増やす
  • 長く利用してもらう
  • オプションや他のサービスを一緒に利用してもらう

上記を実現するには、やはりしっかりしたコンセプトのもとにサービスを構築していくことが重要だと思います。

そういう意味では、安定性重視のさくらインターネット、Eコマースに特化したEストアーなどは、独自のコンセプトによるターゲッティングがしっかりできているサービスだと思います。

移り変わりが早い業界ですから、先がどうなるかなかなか予想がしにくいのがこの業界でもあります。ひょっとしたら、この先いきなりレンタルサーバーが必要となる世の中になるかもしれません。ただ、低価格路線に突き進んでしまったレンタルサーバー業界の行く末は、先にも述べた通り企業同士の消耗戦しかなく、体力の尽きたところからどんどん潰れていき、最終的にGMOグループの独擅場となっていってしまいます。

そうした中で明確なビジョンを打ち出し、独自のコンセプトによりサービスを構築し、その価値観に対してユーザーから多くの支持を得られたところはきっと生き延びて行くことでしょう。

お寿司を一皿100円の回転寿司店で食べる人も入れば、一貫数千円もする高級店で食べる人もいます。アイデア次第ではまだまだ戦えると思うし、新たな層を新規開拓できるはずです。値段だけではない、もっと便利で面白い画期的なサービス作っていきたいですね。

コメント一覧

  • 必須

コメント